このオフは大型補強でも注目を集めて、いよいよ上位を伺う基盤ができてきた感のあるサンダーランド。週末のニューカッスルとのタイン・ウィア・ダービーを前に、スティーブ・ブルース監督は「ニューカッスルより上にいること」へのこだわりを「インディペンデント」紙に語った。
++(以下、要訳)++
スティーブ・ブルースは、サンダーランドの永遠のライバルであるニューカッスルを、ダービーで破ることよりも、最近続いているリーグの順位で優位を保つことを最優先しており、その点については非常に頑固だ。
サンダーランドは地元のライバルを相手に明日のホーム開幕戦を迎えるが、昨年はマグパイズを相手に1ポイントしか取れず、タインサイドで1-5と強烈に踏みにじられて敗れる苦しみを味わった。ブルースはこのセント・ジェームズ・パークでの敗戦を、30年近いキャリアの中でもっとも恥ずかしい経験だと考えており、スタジアム・オブ・ライトでアラン・パーデュー率いるニューカッスルのダブルを阻止したアサモア・ジャンの同点弾のようなリベンジをしたいと望んでいる。
サンダーランドは、昨シーズンをニューカッスルより2つ上の10位でプレミアリーグを終えた。勝利が意味するところを問われると、タインサイド出身のブルースは「ニューカッスルに勝つことが、サポーターに何を意味するかは理解している。私にとって重要なことは、3シーズン続けてニューカッスルよりも上の順位でシーズンを終えていることだ。こんなことは長い間無かったし、今年も彼らよりも上の順位で終えることが目標だ。」
「サンダーランドの監督である限り、大事なことは彼らより上でシーズンを終えることで、これはアラン・パーデューだって同じはずだ。ダービーで勝てばそれが身を助けるのは確かだが、それがすべてじゃない。もちろん、それがすべてというサポーターがいくらかいることも知っている。『何位で終えようが、ニューカッスルに勝てば関係ない』という考えだろうが、私は決してそうではない」
昨シーズンのハロウィンの日、セント・ジェームズ・パークでのホラー・ショーで、ブルースは彼自身や選手たちのことを考え直さざるを得なくなった。結果論になるが、サンダーランドにはダービーの日の白熱をコントロールする術に長けていなかったのだ。
しかし、彼は今回は同じ過ちを犯さないだろう。このオフには、マンチェスター・ユナイテッドとそれぞれの代表チームで最高レベルのプレーをしてきたウェス・ブラウンとジョン・オシェイを獲得した。(アイルランド代表のオシェイは、ハムストリングの負傷により練習への復帰が遅れたため、ダービー出場の可能性は半々)
ブルースは、「あの敗戦は私のキャリア30年で最悪の結果だったと思うし、あんな恥ずかしい思いをした記憶は他にない。しかし、経験から学べば、状況に対応してさらに戦える。チェルシー相手に3-0で勝つ最高の結果を得たのはその2週間後だった」と語った。「去年は私が過ちを犯した。経験が不十分な選手が多すぎたのだろう。責任の一部は私が負わなければならない。我々は、今度の土曜の試合には十分な経験を持って臨めるようにする必要がある。オシェイやブラウンなら問題ない。彼らはチャンピオンズリーグのファイナルのような大舞台を経験しているから、先発したって気後れするようなことなんか無い」
ブルースはさらに、双方のファンが昨年の2試合のようにトラブルで一日を台無しにしないよう懇願した。「そうしたライバル心こそダービーなのだが、ライバル心で留め、昨シーズンのような醜い真似は無しで行こうじゃないか。凶暴な雰囲気になりがちだが、ライバル心と憎しみは別だ」
パーデューは、ダービーにおける双方の対立構造が、論争を呼んでいるニューカッスルのジョーイ・バートンへの怒りに端発するものとならないよう警告している。28歳のミッドフィルダーは、先週末の試合においてアーセナルのアレックス・ソングに踏みつけられ、ジェルビーニョに引っ叩かれることで、また注目を浴びることとなった。しかし、本人の集中を確認した上で移籍リストに載っているバートンを起用したパーデューは、スタジアム・オブ・ライトでの一戦でも起用には何のためらいも無いようだ。
「正直に言えば、ゲームの中で、彼について触れる機会はあるだろう。ジョーイは、この1週間プレスの渦中にあった。彼、そして私が望む以上にね。しかし、もうひとつ着目される点は、彼が良い選手だということだ。向こうは彼を止めねばならない。おそらく、そのことの方がスティーブにとっては頭痛の種なんじゃないかと思うよ」とパーデューは付け加えた。
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気がつけば、ブルースの下でサンダーランドはしぶといチームになってきているなと感じる。去年スパーズも勝ち切れなかったし。ただ、「今の」バートンへの注目はメガトン級だから、他の選手たちも違う面でダービーが熱くなるようにコントロールしてほしいもの。
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