Thursday, April 12, 2012

スパーズが失速した6つの理由

月曜の試合でノリッジにも敗れ、いよいよ失速の度合いが色濃くなってきたスパーズ。既に多くのメディアが失速の理由として、監督のハリー・レドナップが、ファビオ・カペッロの辞任によりイングランド代表の後任監督候補なってしまったことを挙げているが、他にどのような点が考えられるだろうか。「テレグラフ」紙のジェレミー・ウィルソン記者が6つのポイントに整理。


++(以下、要訳)++

トッテナム・ホットスパーは、プレミアリーグのここ8試合で僅かに1勝、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権確保に暗雲が立ちこみ始めている。ホワイト・ハート・レーンでは一体何がうまく行かなかったのだろうか?


不透明なハリー・レドナップの将来

ハリー・レドナップ本人は、トッテナムの失速とファビオ・カペッロのイングランド代表監督辞任が時を同じくしていることには何の関連もない、と頑として譲らない。正確なインパクトを定量化することはできないが、レドナップのカペッロの圧倒的な有力後任候補としての位置付けが、絶え間ない暗雲としてホワイト・ハート・レーンの上空にかかっていることに疑いの余地は無い。そして、フットボールの歴史が語るのは、選手たちは監督のいかなる種類の曖昧さにも前に向きに反応はしないということだ。トップチームのコーチングスタッフの将来もレドナップ次第であり、彼が何を言おうと、選手が将来を考える上で、監督がどうなのか、というのは切り離せない要素なのだ。ルカ・モドリッチは昨年の夏に出ていくことを考え、新たな契約がまとまったわけでもない。エマニュエル・アデバヨルのローンは夏に終わり、ギャレス・ベイルがヨーロッパのトップクラブから巨額オファーを受けるのは時間の問題だ。トッテナムは、自分たちとは関係のない場所での混乱によって困難な状況に置かれたが、彼らのシーズンが12マイル離れたウェンブリーでの突然の空位によって損なわれていることは、ますます明らかになってきている。


メンタルの強さ

トッテナムがエヴァートンに快勝し、マンチェスター・ユナイテッドに2ポイント差と迫った1月、フィル・ネヴィルはトッテナムがタイトル挑戦者に相応しいかを尋ねられた。3ヶ月後の今、彼の言葉はまさに予言だったように思える。「最大の試練は、そこまでの自信や自由を伴ってプレーすることができなくなる3月にやってくるだろう」ネヴィルはそう語っていた。「カギになるのは経験だと思うね。その段階で結果を絞り出せているかどうか、この質問には答え続けないとね」答は8試合で1勝という絶望的な流れだった。残り試合に向けてチームが一体感を取り戻せるか、が今の彼らへの精神面での試練だ。ニューカッスルには失うものがなく、チェルシーには他を大きく上回る経験値がある中、トッテナムのチームとしてのメンタリティには疑問の余地がまだある。


決定力を欠くストライカーたち

ストライカーたちのゴール数の少なさは、昨シーズンチャンピオンズリーグの出場権を逃す一因になった。エマニュエル・アデバヨルが加わりはしたが、今シーズンも歴史が繰り返してしまうかもしれない。昨シーズンのリーグ戦で唯一2ケタ得点を記録したのはラファエル・ファン・デル・ファールトだけだった。今季はアデバヨルがトップスコアラーで13ゴールを決めているが、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、ニューカッスルにはより多くのゴールを決めているストライカーたちがいる。しかし、最も危惧すべきは、クリスマス以降のストライカーたちの調子だ。クリスマス以降、4ゴール以上を決めている選手は1人もいない。ジャメイン・デフォーは実際、最高の時間当たりのゴール数を記録しているが、問題は、中盤とのつなぎにはアデバヨルを欠かすことはできず、彼が一番機能するのはファン・デル・ファールトと組んでいる時だ、ということだ。しかしながら、4位以内を死守できるかは、誰であれストライカーのひとりが残りの5試合でコンスタントにゴールを決める、ということに依存しそうだ。


フィットネスと疲れ

月曜にノリッジに敗れた後、キャプテンのレドリー・キングが「疲れ」について言及した点は見逃せない。確かにトッテナムは、同じく2日前にプレーしていたノリッジと比べて疲れて見えた。月曜の様子と、2012年に入ってからだけの結果ではトッテナムはボトムハーフにいるという事実からは、チームのフィットネスに対する疑問が湧いてくる。中心選手の何人かはケガと付き合わってきていて、FAカップ準決勝を迎える心理面と体力面での負担を考えても、今季前半にあったシャープさは無くなってしまっている。良い知らせは、スパーズは日曜のFAカップのチェルシー戦まで1週間近くあることで、残りのスケジュールの相手とは既に差が付いている。


選手層

トッテナムがプレミアリーグで6番目の給与総額でありながら、リーグのトップ近くで競い続ける選手層を作り上げた点は、大きな称賛に値すると信じている。自分たちのやり方を崩すことなく、ギャレス・ベイル、ルカ・モドリッチ、エマニュエル・アデバヨルといった面々をチームに引き付けることができているのは、彼らのスカウト戦略が成功している証しでもある。しかしながら、ここで明らかなのはチームが何人かのキープレーヤーたちに依存している、という点だ。マンチェスター・ユナイテッドに1-3で敗れた時には、負傷でベイルを欠いていた。ストークに手痛い敗戦を喫した時にはアデバヨル、そしてユナイテッド戦と月曜のノリッジ戦の両方で痛手だったのはスコット・パーカーの不在だ。また、ハムストリングの負傷でアーロン・レノンを欠いた時には、右サイドの彼のスピードが明らかに欠けていた。トッテナムにベストの11人が揃って彼らが皆フィットし、自信に満ちている時には、どこにでも勝つことができる。しかし、シーズンが進んでくると、比較的薄い選手層が露呈してきている。


試合日程

トッテナムの失速を分析してみると、その試合日程にも一定のウェイトが置けるだろう。アウェーでのマンチェスター・シティ、リバプール、アーセナル、エヴァートン、チェルシー、そしてホームでのマンチェスター・ユナイテッドとニューカッスル、これらの全てがこの9週間の間に押し寄せてきた。躓きがあるとすれば、シーズンのこのタイミングで起きる可能性が高かった。それでも、この先は残る2枠のチャンピオンズリーグを争う4チームの中では、トッテナムが一番楽な日程だ。トップハーフにいる相手は唯一フラムで、対戦は最終節のホワイト・ハート・レーンだ。ここのところの全ての困難を考慮しても、トップ4入りはトッテナム次第であることに変わりはないのだ。

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先月の「スパーズが3位に留まるために必要なこと」と比べてみても、みんな好き勝手言ってくれるよな、という以上の感想にはならないんだけど、冷静に考えると、大きく&たくさん取り上げられるようになったよなー、と感じる部分が大きい。

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