プレミア3連敗で、逆転勝利を続けるライバルのアーセナルにすぐ背後まで迫られているスパーズ。メディアには、監督のハリー・レドナップがイングランド代表監督の最有力候補として取り沙汰され、それがチームのパフォーマンスに影響している、と指摘する向きもある。スパーズがこのまま3位をキープするにはどうすべきか?「イーブニング・スタンダード」紙による特集記事のタイトルは、「落ち着け、そしてルカ・モドリッチを中央に」。
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僅か16日の間に、トッテナムはプレミアリーグのタイトル挑戦者から、来季のチャンピオンズリーグ出場権を心配する立場に変わってしまった。
ハリー・レドナップのチームは依然としてトップ4を確保できるだろうが、この3連敗でアーセナルやチェルシーに新たな希望を与えてしまっている。アーセナルがニューカッスルに勝ったことで、ノースロンドンのライバル同士のポイント差は1まで縮まっている。
ファビオ・カペッロがイングランド代表監督を辞任して以来、レドナップはその有力な後任候補として名を挙げられるようになり、以降リーグ戦は1勝3敗だ。3連敗はレドナップが指揮を執るようになってからは初めてのことだ。
本紙では、スパーズがリーグでの調子を取り戻すために監督と選手ができるであろういくつかの点に着目した。
1. ベストな選手をベストなポジションに
ルカ・モドリッチはリーグでも屈指のクリエイティブな選手であり、中央で起用されるべきだ。左で使われれば中に入ろうとしてスパーズのワイドな攻撃の脅威を半減させてしまうし、彼自身の影響力も薄まってしまう。レドナップが4-4-1-1から4-2-3-1へと変更し、モドリッチがサンドロやスコット・パーカーのようなディフェンシブな選手2枚の前でプレーできるなら、彼のスペースもオプションも制限されないはずだ。
ギャレス・ベイルについても同じことだ。シーズンの序盤、このウェールズ人に自由な役割を与えたのはレドナップの賢明な判断だったが、それでも彼の一番の持ち味は左サイドで発揮される。ベイルを彼の好みのサイドから動かしても恐さがなくなるだけだ。アーロン・レノンの負傷がチームバランスに影響しているが、結果的にモドリッチやベイルがそれに苦しむのは残念なことだ。
2. セットプレーの集中トレーニング
一体どれだけトッテナムがフリーキックやコーナーキックからゴールを生みだすだろうか?セットプレーからゴールを決められないのは、スパーズのサポーターの苛立ちのもとでしかない。ベイル、ラファエル・ファン・デル・ファールト、ベノワ・アス・エコト、そしてモドリッチ、と皆ペナルティエリア近くから狙うが、上手く行くのは極めて稀だ。
ユネス・カブールが大きく外すフリーキックは、スタンド後方のファン、カベのディフェンダー、そして広告のロゴを脅かす。チームの攻撃的なアプローチは、特にホワイト・ハート・レーンでは数多くのフリーキックを生みだす。スパーズほど才能に溢れた選手層があるのなら、もっと効率的な方法に行きつくことができるはずだ。
3. イングランドのことは忘れろ
レドナップにはほぼ不可能なことだろう。誰にでも別の職に就くチャンスを経験したことはあるだろうが、熟慮したFAの「距離を置く」という判断は、実際のところトッテナムのシーズンを不安定なものにしている。
選手たちにとっては言い訳にもならない。レドナップの将来が不透明であることは選手の会話のネタにはなるだろうが、パフォーマンスに影響するようなものではない。シーズンが終わる前にレドナップがチームを去ることなどほぼ考えられないし、選手たちも少なくともプレミアリーグが閉幕する5月13日までは、そのことを考える必要もないのだ。
4. ワントップ
チャンスを得て活き活きしているジャメイン・デフォー、そして最近ではルイ・サハには厳しいかもしれない。それでも、スパーズが今季ここまで一番良いパフォーマンスを見せていたのはエマニュエル・アデバヨルが1トップでプレーし、ベイル、レノン、ファン・デル・ファールト、そしてカイル・ウォーカーがその周りでリンクするために前へと上がっていた時だ。アデバヨルのフィニッシュがデフォーほど正確ではないことに苛立つこともあるが、彼の準備の良さとチャンスをお膳立てする能力は軽視されるべきではない。アデバヨルが良いコンディションであれば、中盤の選手がやたらと前線に走り込まなくとも大きな攻撃の脅威を与えることができるのだ。
5. 落ち着け
もしかすると、これがスパーズの追い込みには最も重要な側面かもしれない。レドナップの苛立ちは、エヴァートン戦に敗れた後のインタビューでは明白だったし、選手たちにも最近の試合では普段よりもカリカリしている様子が見て取れる。
誰もに深呼吸が必要なのだ。まるで懲らしめのような2週間だったが、パニックに陥る必要はない。残り10のプレミアリーグの試合のうち、現在の順位表で7位以上のチームとの対戦は1つ(チェルシー)だけだ。
アーセナルやチェルシーと比べると対戦相手に恵まれているのだ。落ち着いて集中力を保てば、3位は依然として彼らのものだろう。
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あのまま順調に行くのも、結果的に3位になるのも、どっちも「スパーズらしくない」と思ってから、こうしてドタバタするのはヤキモキしないで楽しんで見ることにしてるが、結果の面でここまで綺麗にブレーキがかかるとメディアは好きなことを言うよなー、と。ま、そのトーンの変わり方も含めて楽しいもの。
この「イーブニング・スタンダード」ってのは、ロンドンの無料夕刊紙で、地下鉄の駅とか出た所でいつも配ってる。普段取り上げる「テレグラフ」や「ガーディアン」、「インディペンデント」とはトーンが違うのだけど、ロンドンをベースにしてるから、ロンドンのチームの記事は比較的多いし、順位表とか見るとロンドンのチームだけ太字だったりする。
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