Monday, December 26, 2011

ヘンリー・ウィンターが振り返る2011年

年末の時期になって、各メディアも1年を振り返る記事を出し始めている中でピックアップしたのは「テレグラフ」紙。おなじみのヘンリー・ウィンター記者が1年を振り返った。


++(以下、要訳)++

今年一番の試合:マンチェスター・ユナイテッド 8-2 アーセナル

単純に驚いた。アーセナルは王者に瞬く間に凄まじいテンポで切り裂かれた。特にウェイン・ルーニーの破壊力は格別だった。アーセナルは従順そのもので、アンドレイ・アルシャビンとトーマス・ロシツキの最低のパフォーマンスが際立った。クラブの公式サイトであっても「アーセナルが浴びる10ゴールの恐怖」とまでは敢えて書かないだろう。これは明確な恥晒しだった。



今年一番のチーム:バルセロナ

抵抗する方法の見当たらない、ボール奪取の修行僧たちとボールを操る手品師たちの組み合わせ。歴史上最も偉大なチームで、革新的でもある。戦術的には、バルセロナはフットボールをそのプレス万華鏡のようなパス交換で別のレベルへと導いた、マンチェスター・ユナイテッドがウェンブリーでのチャンピオンズリーグ決勝で数分間でも渡り合ったのはよくやった方だと思う。


今年一番のヒーロー:リオネル・メッシ

最高のひと言。このアルゼンチン人はボールにタンゴを教え、シミーを踊りながらエリアに侵入していった。スタイルやプレー内容すべてに、メッシはさらにフットボールを愛するファンを抱えている。その天賦の才能と働きぶりで、バルセロナの魔術師たちの長として余計な駆け引きなどしない。そしてメッシはピッチ外での謙虚さで、人間としても選手としても稀な礼儀正しさを持つ男として際立たせている。

今年一番の悪党:ゼップ・ブラッター

未だにその地位にあり、未だに困惑を与え続ける。誰も老犬に新しい芸を教えられないとは言っていない。性差別に同性愛嫌悪と続き、今度は人種差別が握手で解決できるなどというバカげたコメントを出した。狂気としか思えない。FA嫌いとともに広がるブラッターの支配は、彼が2015年までは辞めないことも意味している。フットボールにスキャンダルをもたらす学校の校長が愚かなコメントと論争を出し続けるのは、あとたった4年。ゾッとする。

今年一番の小競り合い:バロテッリ対ビブス

最高のコメディ。


今年一番のツイート

「この間ハムレットを見たが、残念なことに最後にはほぼ皆死んでしまった。これだけ多くの言葉が何の意味ももたらさないのを初めて経験したが、それでも素晴らしかった。俺のインタビューみたいなもんだな」(イアン・ホロウェイ) - チャーリー・アダムについて繰り返される質問に答えて。

大事にしたい記憶

今年5月、35年の月日を経てマンチェスター・シティが遂にFAカップを獲得した時の、人々の誇りと喜び、そして信じられない、という様子。これまでの荒れた道のりと、隣のクラブからの冷やかしは、ウェンブリーでの試合終了のホイッスルと共に全て忘れ去られ、忍耐と忠誠が報いられた。

忘れたい記憶

ギャリー・スピードの死。今年一番つらい瞬間だった。彼ほどの人格者にはそう出会えないし、ミッドフィールダーとして成功し、素晴らしいプロフェッショナルで、ウェールズを若手選手たちと共に立て直していた。皆からあふれ出る悲しみは、彼がいかにポピュラーな存在であったかを物語っている。



スピードを際立たせていたのは、魅力的なフットボールをフェアにプレーするという、誰もが認める原則からだった。そして彼は信じがたいほどに落ち着いていたし、エゴの無いスターだった。彼を偲んで拍手が鳴りやんでも、悲劇はまだ続く。悲しみにくれる2人の息子たちは父無き人生を歩んでいかねばならないのだ。

10語で表す2011年

バルサを除けば当たりとは言えないが、イングランドはユーロ出場を決めた。ふう。

新年に向けて

・ルールを決める方々、ペナルティー・ボックスの設置検討を
・レフェリーたち、重要な判定についてはTVで発言を
・ウェイン・ルーニー、スタンドにいては役に立たないことに気づいて欲しい
・ロス・バークリー、引き続きデイビッド・モイーズのもとで修業を
・ラヴァエル・モリソン、大成できるのはサー・アレックス・ファーガソンに全てを捧げて、彼の言うことにしっかりと耳を傾けられればの話だ
・選手たちが疲労困憊になり、ケガでボロボロにならずに済むよう、ウィンターブレークの導入を検討すべき

++++

ということで、引用することの多かった彼の記事。こうした記事選びも、だんだんとメディア単位よりも、記者を基準に選ぶようになってくる。ある程度の数を目にしていると、目線やスタンスも分かってくるし、前回のスアレスの記事を書いてたスミス記者のような引き抜きも理解できるようになる。こういうところにも文化の違いを感じたり。

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