Friday, September 16, 2011

依然大きいマンチェスター勢とバルセロナの差

アラン・ハンセンのコラムは前にも取り上げたけど、かつて「ガキにタイトルは無理」と評したマンチェスター・ユナイテッドがタイトルを獲って以降よく皮肉られてて、彼がユナイテッドを語るとすぐに引き合いに出されるのがちょっと面白い。今回は、プレミアを突っ走り始めた両チームでもまだバルサとの差は大きいって話。


++(以下、要訳)++

この夏のマンチェスターの両チーム、シティとユナイテッドの補強で、彼らとバルセロナの差は縮まったと考える者もいるだろうが、私はまだその差は大きく、バルセロナは遥か先にいると考えている。

チャンピオンズリーグの相手と国内のプレミアリーグの相手は全く別物なのだ。国内では、ユナイテッドもシティの脅威を肌に感じていることを否定はしないだろう。トップにいる間は、次の挑戦者を探し求めるものだが、チェルシーがその座に留まる一方、シティもそのポジションに居座りそうな気配だ。ユナイテッドのように、シティも2枚の紙に別々のスターティング・イレブンを書いても依然として強力な選手層を持っている。

しかし、ユナイテッドとシティが次のミュンヘンでのチャンピオンズリーグ・ファイナルに向けてマンチェスター人が支配する時代を宣言しようと、サー・アレックス・ファーガソンとロベルト・マンチーニはバルセロナによって敷き詰められた障壁を乗り越えて行かなければならない。

プレミアリーグのトップでつば競り合いをする両チームだが、チャンピオンズリーグではあらゆる面でユナイテッドに一日の長がある。ユナイテッドには経験があり、この4年で3回ファイナルに進出、選手たちもチャンピオンズリーグの勝ち方を知っている。

しかし、同時に彼らには大きな舞台でまたバルセロナに負けるのではない、という不安も持っている。もし、ユナイテッドがどこかでバルセロナと対戦する機会があったとしても、勝敗はピッチ上で起きたことによっては決しないだろう。

ユナイテッドは心理的な恐怖感を克服する必要があり、それはバルセロナに勝つことによってしか成し遂げ得ない。これをセミファイナルかファイナルで実現する必要があると考えると、その壁の高さが分かるというものだ。

シティにとっての挑戦は種類の異なるものだ。彼らにはユナイテッドのような恐怖感は無い。しかし、マンチーニのチームが信じ難い攻撃面での才能と中盤の強さを持つ一方で、守備面でのオプションに懸案材料を見てとれるだろう。

彼らには、ジョー・ハートに代わるトップレベルのゴールキーパーがいないし、ヴァンサン・コンパニがプレミアトップ3レベルの良い選手である一方、ジョレオン・レスコットはそこにはあてはまらない。左サイドバックはシティの決定的な弱点だ。アレクサンダル・コラロフとガエル・クリシーの2人は前には出られるものの、守備面で説得材料を欠く。ヨーロッパでシティはこうした弱点からプレッシャーを受けることになるのだ。ディフェンスはトップレベルになく、特に左サイドのレスコット、コラロフ/クリシーはチャンピオンズリーグのレベルにないと言わざるを得ない。

ここまでのユナイテッドとシティの印象的なパフォーマンスはあるにせよ、ヨーロッパでは全く異なる挑戦を経験することになる。シティは国内で感じたことのないプレッシャーと向き合う必要があり、特にアウェーでそれは顕著になるだろう。よく組織されたチームには手を焼くだろうし、マンチーニのもと、選手たちは11人が一丸となってこれを克服しなければならない。

シティはナポリ、ヴィジャレアル、バイエルン・ミュンヘンとともに典型的な「死の組」に入っており、我々はシティがいかに優れたチームで、決勝トーナメント進出に向けていかにチームとしてコレクティブに戦えるか、見ることができるだろう。

ユナイテッドの若手が際立った活躍を見せている一方で、サー・アレックスは経験はヨーロッパでの経験がモノを言い、彼らにはまだそれが無いことを分かっているだろう。彼らはイングランド代表ではプレーしたかもしれないが、ヨーロッパの舞台は代表とはまた別の生き物だ。人々は彼らなら2秒で慣れると言うだろうが、そうシンプルな話ではない。

サー・アレックスのチームには経験ある選手がいて、チームは程良いブレンドで進歩していくことができるだろう。それでもすべての話はバルセロナに戻ってくる。なぜならば、仮にユナイテッドかシティがチャンピオンズリーグを制するとしたら、それはバルセロナが頂点から陥落することを意味するからだ。

それが起きるには、どのチームかがバルセロナを倒せるだけの力をつけねばならないが、対抗するチームの前には長い道のりがあるように思えるのだ。

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